理事長挨拶
地域の小さな循環を紡ぐこれからのまちづくり市民財団の役割
財団法人まちづくり市民財団 理事長
米谷 啓和(こめたにひろかず)
これまで18年間、まちづくり市民財団は助成事業を中心に広くまちづくり全般にわたって活動してきました。そして阪神淡路大震災やそれを受けたNPO法の成立も手伝って、NPOや市民団体が自立して活動できる日本社会の形成に向かう一助をなしてきました。
それは同時に、行政や企業をはじめ多くの助成団体の誕生をうながし、ひいては先駆者としての当財団の助成のあり方自体を見つめ直すことにもつながっています。
また超低金利時代が続く中、公益法人制度の改革も進められ、財団の限られた財源をどう効果的に生かしていくかを見定める転機も迎えています。
<未来世代へと手渡していける持続可能な地域をどう創っていくか>・・・わたしはこのことがいまのわたしたち責任世代の最大の課題と考えています。
そのためには、地球の大気・水・エネルギー・堆積と風化といった大きな循環を基盤として、自治・環境・食・交通・文化などふだんの暮らしの地域の小さな循環がスムーズに回っていることが必要です。
しかし現実には、18世紀の産業革命を端緒に、第二次世界大戦後の戦後統治や高度経済成長をつうじて、地域や家族共同体の変容、化石燃料の濫費、物流のグローバル化、車優先のインフラづくり、伝統文化の喪失が急速にすすんできました。
人と人とのつながり、人と地域とのつながり、人と自然とのつながり、歴史や伝統とのつながり、未来とのつながり・・ほころびつつあるこうした身の回りの小さな循環をひとつひとつ紡ぎ直していくことこそが、わたしたちが真っ先に取り組んでいくべき課題です。
具体的には、
- 家族をつなぐ
- 地域の共同体をつなぐ
- 自然の循環をつなぐ
- 食の循環をつなぐ=地産地消
- 歴史と自分とをつなぐ
- 地域の伝統文化をつなぐ
- 再生可能なエネルギーで暮らす
- 化石燃料を使わずに移動する
といった活動のテーマが浮かび上がります。
地域の小さな循環を紡ぐ・・このことを新たに財団のビジョンに掲げ、実績のある助成金事業をひとつの柱としつつ、新たな政策研究・研究交流事業に取り組むことで、地域に学び、地域を支え、そして地域を変えていく「小さな環」をともに紡いでいきたいと願っています。



